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desert season

KUROの(全く方向性の定まっていない)趣味のあれこれ。

『最前線』今野敏

最前線―東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-21)最前線―東京湾臨海署安積班 (ハルキ文庫 こ 3-21)
(2007/08)
今野 敏

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・東京湾臨海諸強行犯係・安積班シリーズ短編。「暗殺予告」、「被害者」、「梅雨晴れ」、「最前線」、「射殺」、「夕映え」の6編を収録。


安積班シリーズの短編もこれで3冊目となります。
このシリーズはどこから読んでも楽しめますが、この本だけは読む前に「旧臨海署」の3冊(『二重標的』、『虚構の殺人者』、『硝子の殺人者』)を読んでおいた方がいいかもしれません。

その理由は後ほど…




・「暗殺予告」
東京お台場のテレビ局に出演予定の香港映画スターへの暗殺予告が届いた。安積警部補らはスターの警備に駆り出される事になるが、管内で不審船の密航者が行方不明になる事件も発生。安積たちは双方の事件を追う事になる

今まで読んできた安積班シリーズは当然ながら安積を中心とした強行犯係の活躍を中心に描かれてきましたが、この作品では警備部の臨海署の他の部署の署員たちの存在も意識させられます。
臨海署の署員たち、他の所轄の刑事たちの連携が1つの事件を解決に導く様は痛快です。

警備部VS所轄の刑事と言う様相を呈しますが、物わかりのいい管理官のおかげで事なきを得ます。
上が柔軟な姿勢で臨めばいい結果が生まれるという話。


・「被害者」
久々に娘と食事の約束をしていた安積。しかし、銃を持った男の立てこもり事件が起こってしまった。人質になっていた青年も救出され、犯人も逮捕されたが男と青年にはある因縁があった

安積がいかに部下たちに慕われているか。そして彼が娘にどう思われているかがわかる話。
特に涼子の一言は安積の大きな力となります。
事件そのものはやりきれない話なのですが、救いがあります。

・「梅雨晴れ」
不快感が増す梅雨時。
午前中、刑事部屋でも小さな行き違いからから鑑識課の石倉と若手刑事のいい争いが起こっていた。ただでさえ暗い気分に陥っていた安積は午前の出来事を確認した速水に対して思わず心にも無い一言をぶつけてしまう。
そこに電車内で起こった暴行事件の犯人を署に連行してきた


安積にはめずらしい失敗の話。そのために全編通して安積の気分は暗い…。
しかしラストの雨上がりの景色のように、読後感は爽やかなものになっています。

しかし、あの速水を落ち込ませるとは…(とはいえ、ホントに落ち込んでたかどうかはちょっと怪しいですが)


・「最前線」
竹ノ塚署にたった捜査本部に応援で訪れた安積、村雨、桜井。
桜井たちはそこでかつて臨海署で一緒に働いていた大橋と再会する。別れた頃はおとなしい印象のあった村橋だったが、今ではすっかり「刑事」の顔に変貌していた。

表題作。桜井視点の話です。この短編集の中でKUROが一番好きな話でもあります。

初期の3作の後、安積班を去ってしまった大橋が再登場。シリーズを順に追って読んでた人間には感慨深いものがあります。

初期作品の大橋はあまり印象に残る刑事ではありませんでした。
いわば、現在の桜井のポジションである、非常に無口で安積の表現を借りると「飼い慣らされた犬」の様な刑事でした。
(大橋が去った後はその役割が桜井に回ってきました…。このおかげで桜井にさらに個性がでたとも言えますが)

それが再登場したときにはすっかり様子がかわっています。
犯罪発生率が高い竹の塚署で、群がる記者たちをいなしながら着実に仕事をこなしていく。地味な仕事でも腐らず地道にこなす。
年がそれ程変わらない桜井が焦りを感じるくらい立派な刑事になっていました。

その変貌に桜井ならずとも驚かされますが、彼が今「最前線」の兵士として戦えるのも安積班で村雨に鍛えられたおかげでもあります。すごいぞ、村雨。

・「射殺」
元軍人の逃亡犯キッドを追ってきたロサンゼルス警察の捜査官・ウッドの案内をする事になった安積。一匹狼気質のウッドは銃をできるだけ使わない日本警察の捜査を手ぬるいと批判する。

仲間を失った故に銃を頼りに独りで犯罪と戦うウッドと、銃に頼らず信じる仲間と共に犯罪と戦う安積。
この話では安積の意外な特技が明かされます。

また、珍しい速水の白バイ姿も拝め(?)ますよん。

・「夕映え」
殺人事件の捜査本部を訪れた安積は、かつて彼を指導してくれた刑事・三国と再会する。
定年間際、自分より下の階級で退職する三国に安積は複雑な思いを抱いた。


ラストを飾るタイトル通り一抹の寂しさと穏やかさを感じる話。
かつて安積を教育した三国刑事が登場します。

作中の村雨と安積の会話は注目。

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[ 2008/11/08 16:06 ] 今野敏 安積班シリーズ | TB(0) | CM(0)
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