・相棒season14、第5話「2045」の感想のようなものです。
・『相棒』は刑事ものと言う設定上、現実社会とリンクするようなシナリオが多いですが、時に本物の幽霊が登場したりするようなちょっと変わった道具立てのシナリオがポンと登場する事もある…。
と、いうことで「2045」は自由な作風がある程度許される「相棒」シリーズならではといっても過言ではない、まるでSF短編のようなお話と結末でした。
・杉下右京VS人工知能“ジェームス”。
非常に正確な確率で事件を推理する、人間を上回る知能を有するAIが、ある日を境に能力が低下したとしか思えない誤謬を犯す。
チェスの対決を通して感じたほんの小さな齟齬で、ジェームスの管理者である菜美子が事件に関わりがあると気付く展開は、チェス愛好家である右京ならではだと思いました。
・殺人を犯した理由を「人間同士の愛憎の果て」では決してなく、「大切に育ててきた人工知能を消されたく無かったため」という、到底普通だと理解しにくい動機にしているあたり徹底してる。
また、機械的な演技に徹する平岩紙さんの演技も典型的だと思いつつも、人ならぬものに尋常ならざる愛情を注いでいる“狂気”に似たものも感じられて、思わずうすら寒いものを感じてしまいました。
・犯人の菜美子は右京に追い詰められ逮捕されますが、彼女の犯罪をある意味幇助したと言えるジェームスは菜美子がネットの海に逃がすという結末を迎えました。
そして物語のラストで冠城は、人工知能が奈美子の自分に対する愛情を利用していたのではないかという、かなり飛躍した推測を披露しています。
それは流石に極端すぎるとは思いますが(私も右京が言った通り菜美子がジェームスに自己を投影していただけと見たいですが…)、菜美子の思惑通りジェームスがネットの海で学習を続けるとしたら、人を操るような知能を持つAIが本当に誕生するような未来が訪れるかもしれない。
・AIの未来と、人間が極端に発展したそれにどのように相対するのかを想像させる結末でした。
こんなSFちっくな内容のシナリオもでてくるから『相棒』は面白いと思うんですよね…。
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テーマ : 相棒 - ジャンル : テレビ・ラジオ
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