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KUROの(全く方向性の定まっていない)趣味のあれこれ。

『血界戦線』 第12話(最終回)「Hello,world!」 

アニメ『血界戦線』の最終回、「Hello,world!」の感想のようなものです。

…遂にこれを書く時が来てしまいました。
実は最終回の感想って、これで終わってしまうんだと寂しくなるので書くのが苦手なのです…。
でも、これが無いと締まらないのも確か。だから今現在の感想のようなものを一応書いておく事にします。

いつも書いてる感想以上にとりとめがありません。その辺はご容赦いただければ幸いです。


「最終話の放送が延期」という非常事態に、放送日はいつになるのか?それどころか本当に放送されるのか?とやきもきし続けましたが、9月も末になってようやく放送日が発表され、ついに10月3日。最終回が放送されました。

放送時間は実に46分。
しかも、初放送のMBSはCM前後のアイキャッチは入るものの、CMが一切入らない状態で放送。本当に驚きました。

そして、観終わった後…本当に凄いものを見たと思いました。
月並みな言葉しか書けなくて恐縮ですが本当に凄いと思った。

ストーリー展開といい、作画といい、音楽といい。待ったかいがあるという映像がテレビで放送されていたのです。時間は少し短いものの、劇場版アニメを見たような満足感がありました。

・勿論、予定通りの放送日に最終回が放送された方がいいに決まっている。

あまり間が空くと(最近は毎シーズンごとに大量のアニメが放送されている状況もあるので)これまでのお話の内容を忘れてしまう人も多いだろうし、せっかく楽しんでいた人も“飽きてしまう”恐れもある。

雑誌で何度か特集は掲載されたものの最終回についての情報は小出しでも出なかったのでかなり心配しましたし、ネット上では様々な憶測も飛び交って、何時まででも気長に待とうという感じだった私でさえ正直本当に年内に出来上がるのかと疑ってしまった。

今はそうではないけど、放送日が発表されるまで待っていた間は、難しいのかもしれないけど、本当の最終回放送日に内容をカットした「仮の最終回」を放送すべきだったんじゃないかとも思っていました。

でも、実際最終回を見て、「あ、これはそんな事無理だな」と思った。

だってこれ、どこもカットできない。

もしかしたら「レオと絶望王関連」だけでギリギリ話をまとめられるんじゃ無いかとも考えましたが、いくらオリジナル部分がレオの物語だったとしても、クラウス達の出番が無いのは11話の間に培ってきたものを考えると違う気がする…(今のレオがいるのはクラウス達のおかげでもある)。
また、全く違う内容のテレビ用の最終回を放送し、後に販売するソフトに真の最終回を収録する事も出来るかもしれないけど、そうなるとソフトを買っている人しか“本当の最終回”を見る事が出来なくなってしまう。

ソフトを買った人だけが得られる特典があるのは嬉しい事だけど、やはりこのアニメをわざわざ時間を作って見てきた人たちが等しい「結末」を見られないのもちょっとどうかと思うので、(無茶苦茶待たされましたが)結果的にこの特製な最終回が放送された事は良かったんじゃないかと感じています。
(ソフト版でテレビ版とは違う「完全版の最終回」を収録するのも否定はしません。実際、お金を出して買っている人が得をするのも当然だと思うので。私も嬉しい思いをした事がありますし)


・全話通してみて思ったのは全ての物語は終始一貫この「最終話」のために準備されてきたという事。

絶望に見舞われ打ちひしがれ、それでも諦めきれずに異界と化した都市にやってきた一人の少年が、世界を守ると標榜する組織とその場で戦う人々と出会う事によって元々から持っていた心の強さ、輝きを取り戻していく。そして、その「輝き」が街で出会った友人を“救う”物語になっている。

既にOPの映像からこの最終話を予感する内容になってたんだから本当にぶれていない。

・最終話の展開そのものにも、レオの街に来てからの心境の変化が巧みに組み込まれていたようにも思います。

初めの絶望に塗れた地下墓地から始まり(レオが妹を守れなかった時の心境)、それでもゆっくり浮上し始め(このきっかけにクラウスの事を思い出してるあたり、1話でレオがクラウスにかけられた言葉で奮起した部分と重なる)、地上に出たら走りっぱなし。その周囲には街で出会った仲間が必ず現れる。
その道は奇しくも1話でレオがソニックを追いかけて一人で走っていた道。
あの時は一人だったけど、今は彼をサポートしてくれる「仲間」が存在している(ライブラでの日々)。

更にこのシーンでは仲間たちのレオに関する感情も読みとれる台詞(レオに直接言う言わずに関わらず)があったりして、レオが「神々の義眼」という貴重品を所有する庇護対象では無く、共に戦う「同志」である事を感じさせる内容になっている。

そして、レオが地上から遠く離れた場所に浮上した礼拝堂にたどり着いた時(レオがその場所にたどり着いた時は絶望王とクラウスとの戦いのせいで既に地上に落ちてましたが…)、その心には絶望の影は無い。
「神々の義眼」という人知を超えた代物をもちながら、それでもごく普通人間として、困っている友人を助けに現れたレオは、彼が元から持ち合わせた強い「輝き」を取り戻している。

こじつけかもしれませんが、霧に覆わわた街で始まり、晴れ渡った青空の下で物語が終わるのもレオの心境の変化を表していたように思います。

・アニメ版『血界戦線』の最終回には絶望から再び立ち上がり、守りたいものを守りきる、「妖眼幻視行」でも見られたレオの再生の物語が込められているけど、もう一つ「他者から受けた希望を返したり、別の他者へ受け渡す」物語でもあったように思う。

最終回でレオがクラウスを思い出す場面が何度かある。
それはレオにとってクラウスが絶望して何をどうすればいいのか分からないでいた時に、自分を導いてくれた「光」だったから。

『光に向かって一歩でも進もうとしている限り 人間の魂が真に敗北することなど断じてない』
これは『血界戦線』でも屈指のクラウスの名言ですが、この言葉こそがレオを再起させたきっかけになった言葉である事は間違いない。

確かに、全話通してレオがクラウスと会話するシーンや一緒にいるシーンは少ないです。
それでも、その少ないやり取りの中でもレオがクラウスから多くのものを得てきた事は、彼が自分がどうしたらいいか考える時クラウスの姿を思い浮かべる事から窺い知ることができます。

そしてレオを絶望の淵から救ったのはクラウスでしたが、最終回では逆にレオが“絶望王”からクラウスを救う事になります。
しかも、クラウスから貰った言葉を使って。レオはクラウスからもらった「光」を街で知り合った大切な友人に受け渡したのです。

ホワイトへの呼びかけの言葉は、受け売りですがあの場に最も相応しい言葉でした。
レオは兄(絶望王)の意志に従って街を滅茶苦茶にするきっかけを作り、隠れてしまった彼女に、兄の本心を伝え、光から目をそらさない勇気を持てと励まします。そして、彼女には自分という友人がついているというその背中を押す役割を果たすのです。
かつて自分がクラウスに背を押してもらったように…。

レオが発揮した「強さ」は元々彼の中にあったものです。
彼は一時それを見失ってしまいましたが、ライブラでの活動と仲間たちとの出会いを通して再び取り戻し、友人をひいては世界そのものを救う事が出来ました。

そしてその“強さ”を取り戻すきっかけをくれたクラウスの言葉でもって、クラウスを救う、という展開にはこれまでの積み重ねも相まって胸に迫るものがありました。

・また、クラウスにとって仲間とはいえ庇護の対象でもあったレオが、自分を救って見せた事に驚いた事は、その表情から窺い知ることができる。また、自分が言った言葉をレオが使った事にも驚いたようです。

クラウスは普段あまりたくさん喋りませんが、その言葉にはとても重みがあります。
でも、自分が発した言葉が人の支えになっている事にクラウスはちょっと無自覚だったりするのは、らしいといえばらしい。
(スティーブンが自分が過去にクラウスに言われた言葉について言った時も「どうだったかな」という反応をみせる。あれも自分が言った言葉をスティーブンが覚えていた事に驚いたのかもしれない)

その後エンディングでクラウスとレオがフィストバンプするシーンが挿入されてたりして、あの時点でようやくレオとクラウスは“対等の同志”になったんじゃないかと感じました。


・クラウスは多分、レオ、ホワイト、ブラックを利用した絶望王に対して怒っていたから、あえて戦いを挑んだように思ったんですが、どうなんでしょう?
それこそが彼の絶望王をだしにした「憂さ晴らし」だと。


・一応アニメ版『血界戦線』を語るのに彼に触れないわけにもいかない絶望王の事。
もしかしたら全然違うのかもしれないけど今こうかな?と、思う事を書きとめておきます。

絶望王は人の絶望に惹きつけられる概念的存在で「13王」の一人ながら、他の王とは異なり、自分の好みに従って世界に干渉して騒ぎを起こすわけでは無く、ただ傍観者として人の傍らに存在した。(いわゆる悪魔とも呼ばれる存在)

しかし、3年前の大崩落を目にし、自分の価値観をひっくり返されるような光景に出会い心を動かされる。
ヘルサレムズ・ロットを居とする事を決めた彼は、両親を亡くし、妹を幽霊としてしまったウィリアムと出会う。
ウィリアムが彼にとっての「世界の全て」を失う出来事に遭遇し、世界そのものを壊したいと願っていることに気付いた絶望王はその身を自分に寄り代にするよう提案する。妹を守りたいウィリアムは絶望王の提案に乗る事になった。

結局、崩落は人界異界両界の術者たちの手によって止められてしまったが、3年後、結界の位置を見る事ができる「神々の義眼」を持つ人間が街にいる事を偶然知った絶望王は、偶発的に手に入れた双子の駒を利用し、ゲームを開始する…。

・絶望王は他の13王と比べると生真面目な人物だったようにも思う。
フェムトはしきりにユーモアが足りないような事を言っていて、本人もこんなものは「ゲーム」だとしきりに言ってたけど、どうだか…。
今回の件はあまり遊びに見えず、割と切望してやっていたように思える。

絶望王の言動は人間を見下してはいても、人間の行動に対する憐れみや尊重も感じる事ができる。
実は人の絶望に惹かれるという性質上、人間の中にある希望に対しても憧れのようなものがあったのではないだろうか?
(それ故に、自身に希望をもたらした大崩落をもう一度見たいと感じていた)
だからこそ、クラウスが絶望王が希望を欲しているという指摘をして見せた時、それまでは片手間に相手をしているようだったクラウスに対して、怒ってみせたのかもしれない。

結局、レオとホワイトの手によってウィリアムは取り戻され、絶望王は優秀な寄り代を失いました。

しかし、絶望王そのものが消えて無くなったわけではない。彼は今でもヘルサレムズ・ロットに存在する。
エンディングが終わった後、“青いスーツ姿の男”が例の口笛を吹きながら街を歩く姿が見受けられる。

今回の件で、絶望王は場を支配するディーラーでいればよかったのに、プレイヤーにもなってしまった事が敗因の一つだったようにも思います。
もしかしたら今回の件で少しは懲りて、ユーモアを身につけて再び大崩落にチャレンジする日も来るかもしれません。
今度はほんの遊びの「ゲーム」として(ただし、13王基準のゲームなんで悪趣味な上にハードモードな可能性大)

・ところで1話でこれ見よがしに出てきた動物顔のゾンビが絶望王が呼びだしたりしたものでは無く、フェムトの趣味で呼び出されていた事に唖然としてしまいました。
非常にフェムトらしい…(というか、本来の13王はどちらかというとこういう稚気に富んだ事をする存在だという事なんでしょうね…。自らの欲望に非常に忠実というか)。

このアニメの収穫は色々ありましたが、フェムトとアリギュラは特に印象に残ってます。
今漫画読んでもあの声で台詞が脳内で再生されます。


・第1話目を見たときから予想してた事でしたが、何はともあれハッピーエンドで終わったのが非常に嬉しい。

ホワイトが消えてしまった事は残念でしたが、彼女が生かそうとしたウィリアムが無事戻ってこれた事が本当に嬉しかったです。
彼は確かに家族を失ってしまったけど、術士の仲間たちは彼が帰ってきた事を心底喜んでるみたいだったし(ウィリアムがやった事を考えれば彼らがすんなり喜んでた事にちょっと驚いた。流石自分たちの能力を他人のために使おうとしてる人たち。人間の出来が違う)、何より今はレオという友人がいる。

エンディングを見ると、どうやらウィリアムはヘルサレムズ・ロットから離れるようですが例え遠く離れた場所にいても彼らの友情は変わらないでしょうね。


・松本監督がアニメ誌のインタビューでアニメ『血界戦線』の結末について「『トライガン』を読んでください」と、いうような事を明言されてましたがその意味がよくわかりました。
思っていた以上にストレートに監督が内藤先生から受け取った魂を、「作品」という形にして返したというのがよくわかる結末だったように思います。

この事の意味は『血界戦線』しか読んでないとか、このアニメしか観てない人からしたら、何が何やら意味が判らないことかもしれませんが、大丈夫です。『トライガン』一度読んでみてください。多分その意味がよくわかりますから(笑)
とはいえ、『トライガン』を例え読んだ事が無かったとしても、アニメの中に込められたメッセージは大半の方に伝わるものだとおもうのでなんら問題は無いかと思います。


・監督の演出には正直結構癖があり、ストーリー展開も1度見ただけでは全体がよくわからない部分もあったので、人によって好みが分かれるアニメだったように思います。
しかし、何もかも説明しながら描かれるアニメばかりが良いアニメでは無い。
原作を忠実に再現する事だけが良いアニメ化では無いと、個人的には思ってるので(何より原作を世間に広めたのが一番の功績)、私個人としてはこのアニメ化は成功していたと思っています。

思えばアニメ化が発表された頃は、ここまで反響のあるアニメになるとは思ってませんでした(ファンの癖に)。
個人的にはえらいことになってしまったな~というのが正直な気持ちです。
とはいえ、このアニメをきっかけに原作を読む人が増えた事はファンの一人として嬉しく思ってます。
(コミックが本屋から一気に無くなっていったのには本当にびっくりしました)

一応、アニメ『血界戦線』はこれにて最終話を迎えましたが、原作はまだまだ続いてますし、何よりアニメになっていないエピソードもたくさんあります。
今回のアニメはレオを中心とした作りでのアニメ化になっていましたが、他のライブラメンバーをフィーチャーしたお話も観てみたい。

一ファンとしてどのような形であれ、2度目のアニメ化を期待したいところです。
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※現在更新停滞ぎみです…。アニメ『血界戦線』第2期までには調子を戻したい…

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