なんと!次号発売まであと5日というタイミングでの更新となってしまいました

滅茶苦茶久しぶりですが「ジャンプSQ.19」2013年7月号掲載『血界戦線-王様のレストランの王様』の感想です。
・『血界戦線』には何故か「食事」が良く登場する。
ごく普通にご飯を食べてるシーンや、飲み会してるシーンは勿論の事。
昼休憩がトンデモ無い展開になる『ラン・ランチ・ラン』や、「ハンバーガー」が重要アイテムになっている『Don't forget to don't forget me』といった「食」がストーリーの根幹にある話があったりと、やたらと登場人物たちは食べたり飲んだりしている印象がこの漫画にはあります。
そりゃあ生きてりゃご飯は基本中の基本!!ではありますが、それにしても多い!
そういえば、『TRIGUN』の時も食事をしているシーンが結構印象的だったりするので、これは内藤先生の“癖”のようなものなんでしょうか…?
・と、なんだかグダグダと書いてしまいましたが、今回も「食」が重要なファクターを占める話。
いままでは比較的ファスト系だったり、ゲテモノだったりしていた『血界戦線』の「食」ですが、今回は究極の「美食」が描かれます。
庶民では決して口にできない料理の数々は、文字通り魂をとろけさせるほど美味しいらしい…のですが、勿論ヘルサレムズ・ロットの「美食」なので一筋縄ではいきません。正直、もし自分がこの料理を食べられる機会があったとしてもチャレンジする気にはならない(笑)むしろ怖い。
そんなヘルサレムズ・ロット一の極上のサービスと美食を提供する「モルツォグァッツァ」が今回の物語の舞台となります。
(全くの余談ですがこの店名、無茶苦茶文字変換&写植泣かせだと思う…。漫画本編でも一か所間違ってたし)
・アラビアの某国を秘密裏に救った事を感謝され、次期国王であるフリージャ王子の饗応をうける事になったライブラのメンバー達。
指定された場所はヘルサレムズ・ロットでも『超超超超超トップクラスのレストラン』。レオ曰く『来年発行予定のミシュランガイドHL版で鉄板の三つ星が噂されている』“モルツォグァッツァ”。
。
味、格式、それに伴うサーヴィスとどれをとっても超一流。常連は世界を牛耳るVIPばかり。
それゆえに食事をする客同士が鉢合わせしないよう細心の配慮がなされており、秘密のもてなしを行うにはもってこいのお店です(勿論今回はライブラのメンバー自体がHLを離れられないという事情もある)。
そして本来、隠密活動を是とするライブラがわざわざ姿を表してまで今回の饗応に応じたのには理由があります。
それは非常に平たーく言ってしまうと今後の活動の為のスポンサー獲得のため(笑)
先の国家滅亡阻止で信頼を得たライブラ側に某国が打診した活動援助額は、なんと『年間300万ドル』!
参謀役であるスティーブンは何が何でもこの超VIPスポンサーを獲得するため、絶対に王子に粗相の無いようにメンバー
(特にレオとザップ)にぶっとい釘をさすのでした…。
・しかし、スティーブンの真の敵はマナーに慣れないレオやザップでも、王子のご機嫌でもなく、モルツォグァッツァで提供される料理そのものでした。
人界・異界両界の精鋭が味の頂を拓くべく追求に追求を重ねた料理の数々は、戦闘では百戦錬磨のライブラの面々どころかこの店の味を味わった事があるはずの王子の理性さえ軽く吹き飛ばしてしまう。
しかも始末に負えない事にここの料理長は以前スティーブンが来店時以上に腕を上げしまっていた!!
お陰で和やかな会食の場は、段々とカオスに塗れていくのでした…。
・と、これだけ書くと如何にもカオスな“ヘルサレムズ・ロットらしいお店”という事になるかもしれませんが、この店が究極を追求するのはあくまで食事をする“お客様”の為のもの。
飲食店の鑑ともいえる、一種気高い精神の賜物でした。
究極の美食を味わったレオがトイレに向かう途中、店の案内係にここの料理のおいしさと、このような美味を妹にも食べさせてあげたいという気持ちを実に素直に伝えた時、彼は声を出して笑い、こう言いました。
『何よりのお言葉を頂戴いたしました。お客様が大事な方と一時浮世から解き放たれ、その心と体を味覚の宇宙へと委ねて頂く。全てを懸ける価値のある至上の喜びでございます』
(「ジャンプSQ.19」2013年7月号 785ページ)
上記の言葉にこの店の全てが表されています。
店の従業員たちはただただお客様の大事な一時の為に、命を懸けて“究極のおもてなし”を体現しようとしている。ただそれだけなのです。
確かに行き過ぎの感はあります。
(レオがトイレへから帰った後の会食風景はまさしく絵に描いたカオスでしたから…)
それでも彼らの見せるプライドは正に尊敬に値するもの。
客を心地よくもてなしたいというこの店の姿勢は、結果的に店自体に迫った危機を救う事になりました。
・この店でフリージャ王子が食事をするという情報を手に入れたテロリストが店を襲撃。
ライブラの面々のほとんどが役立たずの中、何事もなければその計画は成功していたかもしれません。
しかし、偶然店で食事をしていた怪人、フェムトがテロリストたちを撃退してしまいます。
「堕落王」と綽名され、その一存で世界を混沌へと落すほどの能力を持つと言われているフェムトですが彼はこの店の根っからのファン。
料理の内容はもとより、店の客をもてなす精神を心から「尊敬に値する」ものとして心から称賛しているのでした。
そんな彼からすればテロリストたちは無粋極まりない存在。
レオと協力して(というかレオは手伝わされて?)テロリストをあっという間に排除し、この事件そのものを“無かった事”にして食事の席に戻るのでした…。
・今回は美食に踊らされるライブラの面々(クラウスとスティーブン以外)に兎に角爆笑!!
(スティーブンは美食自体にはかろうじて耐えてたけど、気を使いすぎていつも以上に表情が動きまくるのが面白い。)
そして本人なりの信念を通す堕落王フェムトという人物の面白さと、そんな気まぐれな怪人さえ感嘆させる『モルツォグァッツァ』の凄さが印象に残る一編でした。
全編通してレオ以外のメンバー達が揃いもそろってほとんど役に立っていなかったというのも珍しい。
とりあえず私は、改めてやっぱりここの料理は食べたくないな~というのと、今回のラストの後、スティーブンがフリージャ王子から資金提供の約束を取り付ける事ができたのかだけは気になります(笑)
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・『血界戦線』には何故か「食事」が良く登場する。
ごく普通にご飯を食べてるシーンや、飲み会してるシーンは勿論の事。
昼休憩がトンデモ無い展開になる『ラン・ランチ・ラン』や、「ハンバーガー」が重要アイテムになっている『Don't forget to don't forget me』といった「食」がストーリーの根幹にある話があったりと、やたらと登場人物たちは食べたり飲んだりしている印象がこの漫画にはあります。
そりゃあ生きてりゃご飯は基本中の基本!!ではありますが、それにしても多い!
そういえば、『TRIGUN』の時も食事をしているシーンが結構印象的だったりするので、これは内藤先生の“癖”のようなものなんでしょうか…?
・と、なんだかグダグダと書いてしまいましたが、今回も「食」が重要なファクターを占める話。
いままでは比較的ファスト系だったり、ゲテモノだったりしていた『血界戦線』の「食」ですが、今回は究極の「美食」が描かれます。
庶民では決して口にできない料理の数々は、文字通り魂をとろけさせるほど美味しいらしい…のですが、勿論ヘルサレムズ・ロットの「美食」なので一筋縄ではいきません。正直、もし自分がこの料理を食べられる機会があったとしてもチャレンジする気にはならない(笑)むしろ怖い。
そんなヘルサレムズ・ロット一の極上のサービスと美食を提供する「モルツォグァッツァ」が今回の物語の舞台となります。
(全くの余談ですがこの店名、無茶苦茶文字変換&写植泣かせだと思う…。漫画本編でも一か所間違ってたし)
・アラビアの某国を秘密裏に救った事を感謝され、次期国王であるフリージャ王子の饗応をうける事になったライブラのメンバー達。
指定された場所はヘルサレムズ・ロットでも『超超超超超トップクラスのレストラン』。レオ曰く『来年発行予定のミシュランガイドHL版で鉄板の三つ星が噂されている』“モルツォグァッツァ”。
。
味、格式、それに伴うサーヴィスとどれをとっても超一流。常連は世界を牛耳るVIPばかり。
それゆえに食事をする客同士が鉢合わせしないよう細心の配慮がなされており、秘密のもてなしを行うにはもってこいのお店です(勿論今回はライブラのメンバー自体がHLを離れられないという事情もある)。
そして本来、隠密活動を是とするライブラがわざわざ姿を表してまで今回の饗応に応じたのには理由があります。
それは非常に平たーく言ってしまうと今後の活動の為のスポンサー獲得のため(笑)
先の国家滅亡阻止で信頼を得たライブラ側に某国が打診した活動援助額は、なんと『年間300万ドル』!
参謀役であるスティーブンは何が何でもこの超VIPスポンサーを獲得するため、絶対に王子に粗相の無いようにメンバー
(特にレオとザップ)にぶっとい釘をさすのでした…。
・しかし、スティーブンの真の敵はマナーに慣れないレオやザップでも、王子のご機嫌でもなく、モルツォグァッツァで提供される料理そのものでした。
人界・異界両界の精鋭が味の頂を拓くべく追求に追求を重ねた料理の数々は、戦闘では百戦錬磨のライブラの面々どころかこの店の味を味わった事があるはずの王子の理性さえ軽く吹き飛ばしてしまう。
しかも始末に負えない事にここの料理長は以前スティーブンが来店時以上に腕を上げしまっていた!!
お陰で和やかな会食の場は、段々とカオスに塗れていくのでした…。
・と、これだけ書くと如何にもカオスな“ヘルサレムズ・ロットらしいお店”という事になるかもしれませんが、この店が究極を追求するのはあくまで食事をする“お客様”の為のもの。
飲食店の鑑ともいえる、一種気高い精神の賜物でした。
究極の美食を味わったレオがトイレに向かう途中、店の案内係にここの料理のおいしさと、このような美味を妹にも食べさせてあげたいという気持ちを実に素直に伝えた時、彼は声を出して笑い、こう言いました。
『何よりのお言葉を頂戴いたしました。お客様が大事な方と一時浮世から解き放たれ、その心と体を味覚の宇宙へと委ねて頂く。全てを懸ける価値のある至上の喜びでございます』
(「ジャンプSQ.19」2013年7月号 785ページ)
上記の言葉にこの店の全てが表されています。
店の従業員たちはただただお客様の大事な一時の為に、命を懸けて“究極のおもてなし”を体現しようとしている。ただそれだけなのです。
確かに行き過ぎの感はあります。
(レオがトイレへから帰った後の会食風景はまさしく絵に描いたカオスでしたから…)
それでも彼らの見せるプライドは正に尊敬に値するもの。
客を心地よくもてなしたいというこの店の姿勢は、結果的に店自体に迫った危機を救う事になりました。
・この店でフリージャ王子が食事をするという情報を手に入れたテロリストが店を襲撃。
ライブラの面々のほとんどが役立たずの中、何事もなければその計画は成功していたかもしれません。
しかし、偶然店で食事をしていた怪人、フェムトがテロリストたちを撃退してしまいます。
「堕落王」と綽名され、その一存で世界を混沌へと落すほどの能力を持つと言われているフェムトですが彼はこの店の根っからのファン。
料理の内容はもとより、店の客をもてなす精神を心から「尊敬に値する」ものとして心から称賛しているのでした。
そんな彼からすればテロリストたちは無粋極まりない存在。
レオと協力して(というかレオは手伝わされて?)テロリストをあっという間に排除し、この事件そのものを“無かった事”にして食事の席に戻るのでした…。
・今回は美食に踊らされるライブラの面々(クラウスとスティーブン以外)に兎に角爆笑!!
(スティーブンは美食自体にはかろうじて耐えてたけど、気を使いすぎていつも以上に表情が動きまくるのが面白い。)
そして本人なりの信念を通す堕落王フェムトという人物の面白さと、そんな気まぐれな怪人さえ感嘆させる『モルツォグァッツァ』の凄さが印象に残る一編でした。
全編通してレオ以外のメンバー達が揃いもそろってほとんど役に立っていなかったというのも珍しい。
とりあえず私は、改めてやっぱりここの料理は食べたくないな~というのと、今回のラストの後、スティーブンがフリージャ王子から資金提供の約束を取り付ける事ができたのかだけは気になります(笑)
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