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desert season

KUROの(全く方向性の定まっていない)趣味のあれこれ。

『トライガンマキシマム』2004年1月分の感想

『トライガンマキシマム』連載時に書いていた感想その10。

ウルフウッドの最後の回の感想です。

当時はものすごーくウルフウッドにハマってて、毎号毎号このキャラの一挙手一投足に、一喜一憂し続けておりました。
ある回からウルフウッドの死が確定して以降は、最後の瞬間を迎えるのが非常に怖かったように思います。

結局は、読んだ直後こそ泣かされましたが、気持ちが落ち着いてくるとああいうラストシーンで良かったと感じるようになっていました。
それがよく表れてる感想。

最後の締めが我ながら酔ってるな~とも思うんですが(しかも、アニメのウルフウッドのラストもそこまでアレだったかな~とも思いますが)、反省の意味を込めて当時のままの文章で掲載(笑)







 「ああ、ようやく決着がついたんやね。ウルフウッド、お疲れさまでした」
 確かに哀しかったのですが、それ以上に「よかった」という気持ちでいっぱいです。
 内藤先生がこのような形で闘いに決着をつけてくれたことに大いに感謝しております。
 いや、本当に。


 思えば孤児院を出て以降のウルフウッドの人生は、自分自身を殺した闘いに日々でした。

 幼い頃虐げられていたウルフウッドを温かく迎えてくれた「楽園」、彼が育ってきた孤児院を出てつれてこられた場所は、辺境に立てられる教会の工事現場ではなく、殺人マシンを養成する天使の名を冠した殺し屋組織でした。
 生き続けるために腕を磨き、やがて自分がいた孤児院が組織の人材登用の前線基地だと知ったとき、ウルフウッドのたった独りの戦いは始まったのです。
 
 ウルフウッドはかつてヴァッシュに「自分の命が危なくなったらためらい無く引き金を引く」と言ったことがあります。
 孤児院の子供たちを自分のような殺し屋にさせないために闘う彼にとって、自分の命は自分だけのものではありません。感傷に負けて躊躇えば自分が殺される。そうならないためにウルフウッドは祈りながら銃の引き金をひいてきたのです。

 ただし、ウルフウッド自身は自分の言ったことを完全に正しいと信じることができませんでした。
 口や頭では自分のやっていることは間違っていないと言いながら、人として正しい行いをするヴァッシュを見て、何度も揺れ動き、衝突を繰り返します。
 先ほどのヴァッシュに向かって言ったセリフも自分自身そうやってわざわざ口に出さなければ、ヴァッシュを前に自身を保てなかったからなのかもしれません。
 ウルフウッドはそれだけ自分の行いを疎んじてきました。
 
 だからせっかく孤児院を救うことができたというのに、自らを「人殺しの化け物」と断罪し、ナイブズの接近によりすぐその場から逃げ出さなければいけなくなってしまった孤児たちに自分があの「ニコ兄」であると名乗ることもできず、ウルフウッドは去りゆく彼らをただ見送るしかしませんでした。
 どんなに側にいる友が許しても、自分自身を許せないでいるウルフウッドは自分はもう彼らに会う資格はないと考えていました。

 しかし子供たちの方はそうは考えてはいなかったのです。
 小型シップに乗った子供たちが空から蒔いた白い紙吹雪はまさにウルフウッドにとっての浄化の光でした。
 紙吹雪はウルフウッドが6年前に孤児院を出るとき蒔いた紙吹雪にちなんで、また彼が帰ってきたときにお祝いで蒔こうと準備していたものです。
 孤児たちの母親代わりであるメラニィはシップの中で全ての事情を話し、この紙吹雪をどうするのか選択を子供たちに任せました。
 そして紙吹雪は舞ったのです。
 孤児たちにとってはどんなに姿形がかわろうとも、自分たちのために闘ってくれた「あの人」は大好きだった「ニコ兄ちゃん」だったのです。

 「おかえりなさい」の紙吹雪を受け、ウルフウッドは泣いていました。
 絶対に受け入れられないと思っていた彼にとって、これほど雄弁な帰郷を歓迎する挨拶は無かったからです。

 組織に奪われた兄弟、リヴィオを取り戻し、傍らには親友「ヴァッシュ・ザ・スタンピード」がいてくれます。
 そしてもう取り戻せないと思っていたものまで還ってきて、ウルフウッドはようやく安心したのでしょう。
 その顔はとても穏やかで、少し微笑んでいるようにもみえました。
 
 
 この数ヶ月、ウルフウッドの戦いを追いかけてきて色々と一喜一憂してきました。
 しかし、このような戦いの終幕を見ることができて私はよかったと思っています。
 
 ずっとアニメ版のウルフウッドの死に納得ができませんでした。
 アニメのウルフウッドは自分の今までの行いを後悔し、神様に死にたくないと訴えながら死んでいくのです。ですからもし原作でウルフウッドが死ぬようなことがあるならば、彼が満足するような生き方をしてからにして欲しいと願ってきました。

 原作ではまさに、ウルフウッドの望みが叶った形で終える事ができたと思います。
 もちろんウルフウッド自身、もっと子供たちを見守って生きたいという希望はあったとは思うのですが、それでもウルフウッドに後悔は無かったと信じたいです。


 「笑えトンガリ…」
 ヴァッシュと久しぶりにサシでお酒を飲みながら、辛そうな表情をするヴァッシュにウルフウッドはそう言いました。
 それは読者に対する言葉のようにも思えました。
 そしてその言葉に続くヴァッシュのセリフはまさに、私を含めたトライガンファンの言葉を代弁したものだと思います。

 「………あのな、ウルフウッド。ムチャな事 ゆーな」
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