desert season

KUROの(全く方向性の定まっていない)趣味のあれこれ。

『トライガンマキシマム』(2003年「ヤングキングOURS」6月号) 

『トライガンマキシマム』連載時に書いていた感想その4

 …こんな時代だからこそ  あんな馬鹿が何かをしでかす
  あのけた外れの一途さなら ワイは信じてもいい
  こわいで? 何ひとつ見限らない男というのは

 (YKO6月号 『トライガン マキシマム』 P179~180より)

 のっけから引用文から入ってしまいましたが、今月一番胸を打たれたウルフウッドのセリフです。

 争いが世界を支配し、倫理観や信頼など何の役にも立たない時代に、まだ人を信じようとするウルフウッドをチャペルは嘲弄しました。
 チャペルの言いたいことはわかる気がします。
 『殺し屋』としての彼らに、倫理もへったくれもありません。「人道」など、任務遂行や、自分自身の生き残りには邪魔なだけです。
 それに「人道」を捨てさらなければ、大量の人間を何の感情も持たず殺戮することなど、「人間」には不可能なことだと思います。
 
 ウルフウッド自身、チャペルのような考え方は人として間違っていると理解しつつも、生き残るために無理矢理自分の気持ちを押さえつけてきました。
 そうしなければ、やはり生き残るのは難しかったからです。

 
 最初ウルフウッドは「チャペル」とすり替わり、ナイヴズを直接討つ計画を立てていました。
 ところが、それが至難の業であり、どうしても自分の手では成し遂げられないと気づくと、計画を変更したのです。
 それが、ナイヴズの「ヴァッシュを護れ」という命令を逆手に取った相討ちを狙った作戦でした。
 
 この計画について、ウルフウッドはどこにも明言してはいません(たぶん)。
 しかし、かつてミッドバレに計画を指摘された時の彼の沈黙や、その後ヴァッシュの背中に銃口を向けるシーンがあったなど、ウルフウッドの中でヴァッシュを利用してナイヴズを討とうと言う計画があったことは、外れてはいないと思います。
 
 しかし、ヴァッシュと二人で旅をしてきたウルフウッドの心情は徐々に代わっていきました。
 
 「人を越えた恐ろしい種の片割れ」、「不老不死の化け物」だったヴァッシュ・ザ・スタンピードという男が、本気で誰も傷つけたくないと思っていることに気が付きました。
 それは自分自身の身をも危うくする、ウルフウッドから見れば「アホなやり方」です。
 最初、親しげな態度をとりながらどこかしら一線を引いてヴァッシュに接してきたウルフウッドも自分を保つ為にいつしか本気で彼と相対さざるを得なくなっていきました。
 
 やがて、シップの民に会い、「ヴァッシュ・ザ・スタンピード」がどのような男かを知り、旅を続けるうちにウルフウッドの中でヴァッシュの存在は大きくかわりました。
 「利用する相手」は「望みを託す相手」へと変化したのです。上記のセリフは、それが明確に表れた言葉だと思います。

 これまでもウルフウッドがヴァッシュに望みを賭けているような様子は、言動の端々に読みとれていましたが、彼の口からはっきりとヴァッシュに対する気持ちが聞けるとは思ってなかったんで余計に、胸に響きました。

 体はぼろぼろ、反撃する力もほとんど残されておらず、武器もクスリもない。
 そんなウルフウッドの姿に胸が痛んでいたのですが、このセリフを読んだ瞬間、全然物事は好転していないのに何故か希望がわいてきたのです。
 不思議。
  
 兎に角、言葉足らずで申し訳ないんですが、ウルフウッドの口からヴァッシュを「信じてもいい」何て言葉が聞けただけで私は嬉しいですvv
 
 しかし、喜んでばかりはいられません。
 ウルフウッドの危機が何ら回避されたわけではありませんから。むしろ運命の時は近づきつつあるようで目茶目茶怖いです…。
 
 チャペルは完全に全体の目的から逸脱し、ただ私怨を晴らそうとしているように見えます。あのラズロを一瞬でも怯えさせるほどに、チャペルのウルフウッドに対する憎しみは深いもののようです。

 これはもう、「何ひとつ見捨てない男」に登場を願うしかありません。
 ヴァッシューーーー!!早く来てくれーーーーー!!

 補足:4月号の感想の時、「孤児院はミカエルの眼の持ち物か?」という推測を思いっきりぶっておりましたが、今月発売されたコミックスの方ですでにそうであることがバッチリ書かれていました…。
 はずかしー!!
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